ななこ♂の部屋

小説「プログラミング・ガール」を書いています。

精神科医との対話⑦

 結局、躁鬱なんて気の病だと気づいた。問題は病気ではない。冷えた緑茶を飲みながら、何処に行こうか考えた。既に初夏の陽気である。とりあえず駅前まで出ることにした。

 FBで「いいね!」を要求されたが、キミの事は何も知らない。友達の友達の事なんてどうでもいい。大事なのは習慣だ。散歩する、音楽を聴く、掃除をする。これを一つのコマンドとするならば、やはり治療という言葉が合う気がする。

 雑になるな、雑になるな、と自分を戒めながら部屋から出ていく。冷えすぎた部屋は全然快適でもなく、村上春樹的でも無かった。だいたい村上春樹がそんなに好きでも無かったし。

 外の風は気持ちよかったが、歩くと汗ばんでくる。途中に「インスタ映え」するレトロな喫茶店発見した。中に入ろうかと思ったが、私はインスタをやっていないのに気がついて止めた。

 腹が減ったのでコンビニでサンドイッチとカフェラテを買った。近くの公園に行き、インスタ映えしない食事を摂った。インスタをしようかしまいか考えていたが、考えていくうちにだんだん面倒くさくなってきた。

 悪い癖だ。まあアプリを入れるだけなら無料だし、SNSは活用してるし。なかなか私に適しているような気がしてきた。機材も豊富だし。そんなたいして重大でもないことを考えていた。