ななこ♂の部屋

小説「プログラミング・ガール」を書いています。

精神科医との対話⑪

 まるで初夏の陽気だ。黒いTシャツに洗いざらしのジーパンを履き、部屋の中を掃除している。部屋には溜まったゴミがあり、一つずつ分別をしながら捨てる。シンプルであれ、と願う。タバコを数本吸い、コーヒーを飲む。

 いろいろと雑務をこなしながら、これからの事を考える。なかなか一人、というのは作業効率が良くない。「ノマド・ワーカー」なる言葉はあるがみんな大抵、カフェでパソコンを広げながらスマホのゲームをしている。無意味だ。

 Rolling Stonesをヘッドホンで聴きながら掃除をし、以前にお世話になった方に電話してみる。とりあえず主治医との話し合いが必要だ。私の主治医は医療的な事では指示を出すが、生活面では関与しない。当たり前か。

 とりあえず今日の午前を塗りつぶしながら、午後の予定を立てる。予定なんて立派なものではないが、少し鬱から出ようとしているのかも知れない。私のマインドに気怠いStonesは波長が合う。

 「少し社会復帰をしてみよう。」と思うくらいにはなった。その一歩をどうしようか思案している。やはり私には誰かの助けが必要で、福祉のサービスを受けることになるだろう。友人たちの事を思い出してみる。それはなかなか悪くない気分だった。