ななこ♂の部屋

小説「プログラミング・ガール」を書いています。

精神科医との対話⑮

 「まるでジェット・コースターに乗っているみたいです。」彼は鼻で笑う「それを生み出しているのはキミ自身だよ。」と。私は言う「精神科デイ・ケアに通おうと思います。」彼は言う「焦るな。」と。焦ってはいないつもりだが、少し前のめりになっているかも知れない。

 泣ける音楽でも無いのに、どうしてだろう涙が出てくる。泣くんじゃない、泣くんじゃない、と自分自身に言い聞かせてみる。完全に弱っている。しかし、それが悪いことだとは私にはどうしても思えない。情けない話だが、自分自身を否定する事はどうしても出来ない。

 コンビニで缶コーヒーを買う。冷たい微糖のやつが、乾いた喉を潤してくれる。タバコを数本吸い、これからどうしようか考える。家に帰るのも早い、さりとて行く場所がない。公園のベンチに座り、イヤホンを付けてYouTube を流す。今や世界はスマホの中に入っている。だからみんなスマホを眺める。

 スマホのゲームはやったことが無い。熱心にプレイしている友人曰く「パチンコみたいなモノさ。」と言う。私はパチンコをやったことがない。私はギャンブルは嫌いだ。私はスマホのゲームもやらず、相変わらずベンチでYouTubeを眺めている。雨が降りそうな曇天の中で。