ななこ♂の部屋

小説「プログラミング・ガール」を書いています。

精神科医との対話㉒

 今日は雨。だいぶ調子は良くなっていたが、雨の日は外に出るのがダルい。こんな日はクルマだ。白とグレーの中間色のSUV。明るいところにいると白。暗くなって来るとグレー。今日はグレー寄りだ。洋服の整理をして、要らないモノを処分する。店に着くと何人か買い取りのお客さんが待っていた。自分の順番が来たら査定まで1〜2時間待ち。とりあえず服を預けて時間つぶしをしてこよう。

 向かい側にイオンがあるので、そこで昼飯を食べようと思った。いろいろあり、時間が潰せそうな中華料理屋に入った。喫煙席に座り、本日のランチを注文した。スマホをいじりながら待っていると少し席の離れたところに老人と中年の男性がいた。

 声が大きく、こちらまで声が聞こえてきた。どうやら中年の男性は息子さんらしい。「相続がどうの」「〇〇さんがどうの」など、聞き耳を立ててる訳ではないが自然と聞こえてきた。2人は険悪なムードで会話をしていた。他人のお金の話は興味はあるが、喧嘩腰の2人のムードは今にも喧嘩が始まりそうだった。

 店員さんが料理を持って来ると「そんなモノは要らない!包丁を寄越せ!」と怒鳴り始めた。女性の店員さんもビックリしていた。これは喧嘩だ。慌てて私はおせっかいだとは思いつつ、2人の間に入った。

 「どうしたんですか?」と聞くと老人は「誰だお前は?」と言ったので、ムカつく気持ちを抑えつつ話をした。「包丁を寄越せはないでしょう?喧嘩を止めにきたのです。」と言うと老人は「喧嘩なんかしていない。こちとら400年前から江戸っ子だ。それがどうした!」と私にまで喧嘩を始めた。

 「400年前から江戸っ子は無いでしょう。あなたはヨーダか!」とツッコミを入れてしまった。そしたらその息子さんも火が着いて「ライトセーバー持ってくる!」と言い出した。こいつはジェダイの騎士か?と思っていたら、割り箸を持ってきた。

 もう何が何やら分からなくなったので、私は逃げるように店から出た。「これは夢なのか?」と思っていたら。これは小説なのだ。という事に私は気づいた。そして無事に古着屋に行き、「思ったよりも高値で売れたな。」とホクホク顔で家に帰った。これから歯医者に向かう途中である。