ななこ♂の部屋

小説「プログラミング・ガール」を書いています。

あの素晴らしい愛をもう一度

 憂鬱な気分が続く。誰のせいでは無いが、とにかくイライラする。タバコを吸い、コーヒーを飲み、気分を変えようと試みる。思えば小さい頃から生きるのに辛かった。学校にも行きたくなく、家には居場所がない。だから私は放課後になると図書館に通った。そこしか居場所が無かった。

 だから本はよく読んだ。それは今でも唯一の財産だと思っている。毎日、時間を潰すのに必死だった。クラスメートのグループにも属せなかった私は、人目を避ける場所を好んだ。図書館にもクラスメートがいると、とても恥ずかしかった。

 37にもなって昔の夢を見る。大抵は笑われて過ごして来たから。馬鹿にされて、一人で、生きてきた。家族との関係は冷めきっている。今年の姉の誕生日にプレゼントを渡そうとしたら断られた。理由は分からない。精神障害の弟は、子供には見せたくない存在だというくらいは、よく分かる。

 情緒不安定なのだろう、私は。音楽を聴くと電車の中でも涙を堪えるのに必死になる。誰ともわかりあえないが、小説や音楽の世界なら繋がれるような気がする。アルコールを飲めば少しはラクになるのかも知れない。溺れるなら。カネばかりが出ていく毎日の中で、SONG BOOKは私に語りかける。