ななこ♂の部屋

小説「プログラミング・ガール」を書いています。

精神科医との対話

 久しぶりに散歩をした。あの夏の暑さは嘘のように消え、長袖を着ても肌寒いくらいだった。その温度が10月を告げていた。

 私がコンビニで買うものはタバコとコーヒーくらいだ。それをベンチに座りぼんやりと人の流れを見る。

 酷い鬱からは脱出したみたいだが、まだまだ油断は禁物。これも偏に友人の手助けがあったからだ。

 私は思い倦ねていた。クイック・ホイールの付いたiPodを買おうかと。それは悪い選択肢ではないが、今日ではない。

 新しいiPhoneにたった一つだけ足りなかったものは、ワンモア・シングである。なるほど。そうでなければApple製品は使うべきではない。

 コンビニでは、知的障害児と老夫婦が買い物をして困っていた。店員は親切な対応をしていた。だから私はこのコンビニが好きだ。

 幾らAIが発達しても人のココロまでは分からない。何故か?それはココロは無限だからだ。唯一、宇宙よりも広いモノだ。

 そんな事を思いながら夕飯を手に私は家路に着いた。風はどこまでも気持ちよく、ブリーズ・イズ・ナイスと、小さい声で呟いた。