ななこ♂の部屋

小説「プログラミング・ガール」を書いています。

AEUGO

 私はだいたい早起きだ。なので午前中に1日のやるべきことを終えて、午後はゆっくり過ごすようにしている。今日は午後はお目当てのジーパンとカバンを買いにAEUGOに行こうと思っていた。

 母親がパートから帰ってきたら、「もうすぐお彼岸でしょ⁉お父さんの命日も近いし」なるほど、墓参りか。そういう事をキチンとしていれば何か良いことがあるかも知れない。

 ま、AEUGOは帰ってきてから行けばいいし。そんで、墓参りをして、母親を降ろして柏に向かった。

 いつものように声をかけて入店した。しかし店長のHくんの返事が浮かない。何か俺、悪いことしたかな?と思った。そしたら、「あのジーパン、売れちゃいました、」と申し訳なさそうに言われた。

 「ガーン!」ときたね。ずっと楽しみにしてたから。しかししょうがない。中古は一点物。こういう事はある。自らを慰めつつ、カバンだけでも買おうと思った。そしたら「カバンも売れてしまいました、」と。

 「うっそー!!!」と思いましたね。で、いつ売れたのかと聞くと、両方とも今日。何で平日の昼間の今日に売れるんだよ!と思ったね。墓参り行かなきゃ良かったと思ったね。違うんだ、だいたい私はココロはPUNK。そんな奴が親の墓参りに行ったのがいけなかったのだ。

 という捻くれた考えは流石に持っていない。カバンの置き場も考え、ジーパンを飾るスペースも確保しての今日の出来事。仕方ないとは言え、残念無念。

 じゃあ、何か買おうと思ってみても、カバンとジーパンという高額商品を買おうと思っていた私には全て物足りない金額だった。例えて言うなら、フォアグラとフカヒレの姿煮を食べようと思っていたら、エビチリしかなかった。そんな感じだ。

 ま、カネは貯めて次の買い物に使えばいい。しかし、季節は春。春物は買ってしまった。夏はだいたいジーパンとTシャツだ。使い途がない、という前代未聞の状況になってしまった。

 しかしまー、カネは使わず貯めておけ、という父親からのアドバイスなのかも知れない。そんな事を思った冬の終わりの日。