ななこ♂の部屋

小説「プログラミング・ガール」を書いています。

精神科医との対話

 タバコを買いにコンビニへ行くと、またあのお兄ちゃんがいた、タカリの。顔見知りのように「よう!」と声を掛けてきた。仕方ないので、私も喫煙所に行き、お兄ちゃんの隣りに座った。

 仕事の愚痴から始まり、カネがないだの世の中が悪いだの、相変わらずのクズぶりを発揮していた。「仕事なんて辞めちゃえばいいんじゃない?」と言うと。「何コイツ?」みたいな顔をされた。

 「つまんない事より楽しい事したほうがイイっすよ。まだ若いんだし。」と言うと、生活がどうとか、カードローンがどうとか、またツマンナイ事を言い始めた。最初は同意していたが、だんだん飽きてきた。

 試しに「どんな仕事がいいの?」と聞くと、年収800万円で、カッコいい仕事で、芸能人に会える仕事。とバカ丸出し。学歴は?と聞くと、私立の中堅大学を卒業したらしい。

 それが唯一の自慢らしい。当初は親のコネで会社に入ったが、周りと上手く出来ずに辞めた、とのこと。世の中に100万人くらいいそうな話である。そして相変わらずツマラナイ。

 他人の自慢話ほど聞いていて苦痛なものはない。それを分からないバカは多いが。私はトイレに行きたいと言って、そこから逃げ出した。タバコとファミポテと缶コーヒーを買った。月は綺麗な満月だった。