ななこ♂の部屋

小説「プログラミング・ガール」を書いています。

小説「プログラミング・ガール」

小説「プログラミング・ガール」④

Sは昔、証券マンだった。だから隠語を使うのが好きだった。以前、新宿のバーでよく飲んでいた時にやはり、隠語で遊んでいた。 つまり、「麺の硬めは」は「明日」。「スープ辛め」は「昼」。「ニンニク入れる」はいつものバーで。だった。 バーでの待ち合わせ…

小説「プログラミング・ガール」③

私はSに連絡をして、新宿のラーメン屋で会うことにした。なぜラーメン屋、かというと人混みのほうが、かえって会話をするのに良い場合がある。腹も減ったし。 新宿に着いたらSからメールがあった。まずいな、と思った。メールは文書として足が着いてしまう可…

小説「プログラミング・ガール」②

ダミーシステムは、コードネーム「TOMOKO」を利用することにした。しかし、最新Ver.ではない。そこから3ヶ月前の大幅アップデートのあった時のモノを使う。 大幅アップデートのあった際に、付加ポイントについての変更があったためだ。消費税の増税に伴い、…

小説「プログラミング・ガール」①

チャットの会話、というのは大概において時間ばかりが過ぎていく虚しさがある。プログラミングされた彼女は、いつも「愛してる」と書き込む。 それに私は「俺もだよ」とテキストエディタを使い、書き込む。0と1の信号でやりとりされたそのログは、3ヶ月経っ…