ななこ♂の部屋

小説「プログラミング・ガール」を書いています。

ぼくの読書遍歴①

 小学校の頃、ちょっと都会の塾に通っていた。その塾友達の間で流行っていたのが宗田理さんの「ぼくらの7日間戦争」だ。ぼくは「都会の子供は小説とか読むんだな〜」と地元の田舎の小学校には無い、カルチャーの匂いに惹かれた。塾友達の間で、塾が終わったあと本屋へ行き、宗田理さんの作品を読み、近くのドムドムバーガーで感想を言い合っていた。それがぼくの読書の原体験だ。

 中学に入り、電車の通学時間に熱心に読んだのは赤川次郎さんの「三毛猫ホームズ」シリーズだ。お小遣いを貯めては本を買い、同じ本を何回も読んだ。西村京太郎さんの作品もよく読んだ。「ここのトリックはよく出来ているな〜」と感心し、ミステリー作品の面白さを知った。

 中学の友達から水野良さんの「ロードス島戦記」を勧められて読んでみたらとても面白かった。その時、「ジュニア・ノベルズ」という小説のジャンルを知った。中学の図書館は本が充実しており、放課後は毎日通った。あかほりさとるさん、中村うさぎさんの「ゴクドーくん」シリーズにもハマった。

 高校に入ると、Y先生という本好きの先生がおり、授業の合間に本の話をしてくれて、文学や心理学の本を読むようになった。特に面白かったのが岸田秀の「ものぐさ精神分析」シリーズだった。精神分析を使い、社会の様々な現象を語る。という内容だった。後に大学で岸田先生のゼミに通うようになった。

 沢木耕太郎の「深夜特急」という本に出会ったのもその頃だ。インドのデリーから乗合バスに乗ってロンドンまで旅をする、という内容の旅行記。それに影響を受けて、高校3年生の冬休みに関西に一週間の一人旅をした。ぼくは「深夜特急」を繰り返し読んだ。その旅を人生になぞりながら何回も何回も読んだ。「こんな生き方がしたい」と強く思った。その本はぼくの人生に大きな影響を与えた。自分で物事を選択する、という生き方を。