ななこ♂の部屋

小説「プログラミング・ガール」を書いています。

Candy

 酷い鬱だ。甘いコーヒーが飲みたいが、小銭が足りない。部屋から出る気も起きないが、一日というものは何かしらやる事があって、音楽を聴いたり、風呂に入ったりして何とかテンションを上げようと試みるが、無理だ。

 ま、「気の病さ」と嘯いてみてもツライものはツライ。ミスチルの楽曲がサブスク解禁になったので良く聴いている。救われている気もするし、搾取されている気もする。The Beatles以降のロックなんてそんなもんだ。自分には何のチカラも無い。

 そんな事を言っても何も変わらない。変えたいと心から願う。30秒後の未来を思いながら。とにかく家から出て街を歩く事しか私には思い浮かばない。キレイな景色が見たい。都内のタワーマンションでもいい。神社でもいい。

 友人は言う「優しいだけで、強くない。」私は思う「それは優しさでは無い。」曇天の空模様は私の足を鈍らせる。まるでこの街に雨が降るかの様な空だ。何とか耐えてはいるが、午後は分からない。午後の事なんてどうでもいい。吐いては摂取するこの街で。

 世界がクリアに見えない。どうしてだろう?年収が足りないせいか、健康状態が良くないせいか。雨が降るかも知れないが、やはり街に出るしか方法は無い。退屈なゲームはとりあえず明日にしよう。歩けることに感謝しながら、私は歩く。