ななこ♂の部屋

小説「プログラミング・ガール」を書いています。

精神科医との対話⑰

 ひどい鬱に悩まされているが、とりあえず今日の予定は無いから散歩に出た。重い足取りで歩いていると、死に場所を探しているのか、散歩をしているのかよく分からなくなってきた。ウチの近所に飛び降りれる高い建物が無いことに一安心しながら。

 まあ、それは冗談としてもなかなか厄介な鬱だ。ヘッドホンからはThe Beatlesが流れてくる。どうやら散歩を止めさせてくれない。仕方ないので歩き続ける事にした。またまた「インスタ映え」しそうな喫茶店があったが、さっき缶コーヒーを飲んだばかりだ。

 これ以上体調を崩したくない私は、泣く泣く「いいね!」を諦めた。「いいね!」を貰って鬱が治るのならばそうしたが(笑)。しかし、介護はいい。何せあの「江戸っ子婆ちゃん」みたいな年寄りがたくさんいるから。PUNKの真髄を見た(笑)。

 The Beatlesの次は、邦FOLKのSONG BOOKを聴いた。これがなかなか沁みた。「春夏秋冬」で癒やされ、「まだ人生を語らず」で頷き、「満足できるかな」で満足し、「まるで正直者のように」で、正直でありたいと思った。

 しかし鬱。そろそろ散歩を止めたい。帰りはタクシーを使う、なんてカネは無いし。プレイリストはOasisへと移った。Oasisバカ兄弟がケンカを止めれば、CDを10億枚買っても良い気がした。握手券は要らないが。

 そんなこんなで帰路に着いた。ヘッドホンからは相変わらず音楽が流れ続けている。とりあえずそれを止めずに麦茶を飲んで、タバコを吸う。しかし、掃除をする気力は出ない。歯が痛い。月曜日になったら歯医者へ行こう。歯医者は嫌いだが。