ななこ♂の部屋

小説「プログラミング・ガール」を書いています。

精神科医との対話㉓

 私はヒマなので時間の潰せるイオンにまた行った。取り立てて腹が減ってなかったので、ショッピングモール内にある古着屋へ行った。

 古着屋に入るなり「いらっしゃいませ」と黒猫が言った。私は猫と喋れるという特殊技能はない。何かがおかしいこのイオンは。しかし、黒猫は「お客様はどういった品物をお探しで?」となかなか丁寧。これは居心地は悪くない。そして猫と喋れるのも面白い。まあ小説だからというツッコミは無しで(笑)

 その黒猫店員に「アロハを探しているんだよね〜」と言うと。店内を案内してくれた。半袖シャツコーナーで、「このサテンの生地のアロハがオススメですよ。サイズもゆったり作られてて。この黒猫なかなかやる。品物はかなり気に入った。

 試着してみるとなかなか良い。これは欲しいな、と思った。店内を見てみるといろいろなアイテムがある。気になったトートバックがあったので見てみると黒猫が「これはLL.Beanのオリジナルです。似ているのは多いんですけどオリジナルは作りがしっかりしてるんですよね〜。」とまたまた有能な黒猫である。

 大きい荷物を入れるのにぴったりだな、と思い、これも買うことにした。古着なので値段も手頃で良い買い物が出来た。黒猫に感謝の意を伝えると「いえいえとんでもない。お客様に満足して頂き、嬉しい限りですよ。」なんて事をいいやがる。この黒猫、完璧超人か?

 サービス業の鏡、みたいな黒猫に見送られながらクルマに戻る。帰りの運転中、不思議な気持ちになった。まあ、気分は悪くない。