ななこ♂の部屋

小説「プログラミング・ガール」を書いています。

精神科医との対話。

 私はよく、大学の渡り廊下でタバコを吸いながら、「世界の終わりの始まり」を感じていた。つまり、「猶予期間」だった。

 で、もちろんそれが終わると、実刑が下されるのは承知の上だった。だから、ウンコやションベンの世話も問題なかった。労役だったから。

 そこで頂く幾ばくかの金銭は、私を落ち込ませた。ま、低賃金な労働は、意欲を減退させる要因である。それは仕方ない。

 で、今は刑務所みたいな所に入り、独房暮らしをしている。これはなかなかツラい。死にたくはないが、逃げたくはなる。

 コンビニに行ったり、すき家に行ったりすることの「自由」を生まれて始めて実感している。当たり前は当たり前ではないのだ。

 子供の頃の虐待や、学校時代のいじめや、ウンコの匂いが取れない爪や、腰の痛みが、寒さを教えてくれる。あと3ヶ月で今年も終わる。

 「衣食足りて礼節を知る」とはよく言ったもので、貧乏人はあいさつの仕方が分からない。感謝なんてしたことがない。

 私は、そこにただ居ただけで、何もしていない。人を救うつもりもなければ、潰してやるほどの熱意も持ち合わせていない。

 人を羨むのは勝手だが、「ヒマな奴」だとしか、実際、思えない。努力しなさい。全てはs自己責任の世界だ。

 ニュースを見てると、殺人犯が「ニカっと」笑った。なかなか良い光景である。5人くらい殺すと、さぞや楽しいのだろう。

 TV のコメンテーターの話のヴォリュームがウザい。こいつらの笑顔は美しくない。何も楽しくないのだ、私は。

 それはまるで鏡のように映る。ジャック・ラカンの「鏡像理論」と言えば、話は早いか、。エアコンの音がやけに、生々しい。