ななこ♂の部屋

小説「プログラミング・ガール」を書いています。

小説「プログラミング・ガール」③

 私はSに連絡をして、新宿のラーメン屋で会うことにした。なぜラーメン屋、かというと人混みのほうが、かえって会話をするのに良い場合がある。腹も減ったし。

 新宿に着いたらSからメールがあった。まずいな、と思った。メールは文書として足が着いてしまう可能性がある。電話ならば中身までは聞かれない。

 しかし内容が、「麺は固め?味は辛め?ニンニク入れる?」と言ったどうでも良い内容だったので安心した。

 店に着くと、店主が、「今から作るね」と言ってくれた。もうオーダーはしてある。Sは「どうしたいきなり」と言ってきた。「いや、久しぶりにラーメン食べたくて」。

 Sはふーん、という顔をして味玉に食らいついていた。「言っとくけどここお前の奢りだからな、。」「分かってる」私も到着したラーメンを食べ始めた。

 なぜSがメールでわざわざオーダーを聞いてきたか、私は知っていた。それは昔のSの仕事に関係していた。

 

 続く