ななこ♂の部屋

小説「プログラミング・ガール」を書いています。

失われた風景。

 まあ、いつものように失恋した。自分はカネを生み出せないヤツだから仕方ない。彼女を幸せにする自信はあったが、どうも時間が間に合わない。

 結局は、交わらない人生だった、ということしか出来ない。私の立っている交差点は誰かは通るが、いつも私は傍観者だ。

 2022年、という事をよく考える。考えても何も生み出さないが、少なくとも退屈まぎれにはなる。しかも無料で。そう、頭の中はカネがかからない。

 私の思考はそんなに的外れではないだろうが、それを他人に説明して議論しても今どきの大学生も白け顔だ。就職活動、頑張って、としか言えない。

 大学は就職の予備校に成り下がり、ロックは戦争には何の意味も無かった。文学は人生には必要ではなく、人々は内向的になっている。

 最近は、漫画でも読もうか?と思うようになってきた。少なくとも日本には良質の漫画があり、それを読むのは悪くない。

 差し当たっては、松本大洋の「花男」「鉄コン筋クリート」なんかは何度読んでも面白い。家族愛や、街への愛着がそこにはある。

 同時に阿部和重の「シンセミア」も読み直している。歴史を振り返るのは悪くない(J文学をそう呼ぶのはいささか気が引けるが)。

 ま、自分も内向的にさせて下さい。失恋したから。どうしてそんなに好きだったかは特に理由はない。私は今でも彼女を信じてるし、彼女には幸せになって欲しい。

 どうもタバコの本数が増えていけない。飯はもちろん喉を通らないが、食わないと死んでしまうし。刺身とか食ってます。

 酒は元来、飲まない。好きではないし。そんなモノにカネは使いたくない。私は彼女のためになら、何でもしたかったし、何でも出来た。

 失うことは怖くはなかったが、寂しさを埋める作業はなかなか面倒くさくて嫌になる。楽しい事をかんがえたいが、どうもダメだ。

 自分にとって楽しかったのは彼女との思い出だし、それ以上のものはこの世にはない。あってたまるか。という気分である(やさぐれている)。

 自分の不器用さ、人付き合いの苦手さ、が時々損をしてる気分になるが、器用な人も損した気分になるだろう。どっちもどっち。

 おそらく母親が亡くなったら、私は一人で犬でも飼って、愛情を注いでやりたい。まあ、犬は嫌いだ。空想の世界だ、全て。

 退屈しのぎに、来週は借金を全額返済して、余ったカネで旅行でも行きたい。一人旅なんて嫌いだが、相手がいないので仕方ない。