もう何にも無くなっちまったな、、、と思った瞬間から蘇生は開始される。失われた10年は令和になり、まるでイベントのように消費されていく。
私はタバコを吹かしながら、これからの事を考える。喧嘩別れした恋人に打つメールを考えるように。
草木や花は美しい。日常は思いの外スピードが早く、何とか踏ん張っているが、そろそろ限界だ。
ヤフオクで売ったり買ったり、断捨離したり。全てはネット。店舗なんて牛丼屋とココイチがあれば用は足りる。
エルサレム三世がダンボールを捨てろと言うが、下民にとってダンボールは家であり、寝袋であり、財産だ。
亡くなったロック・ミュージシャンは神格化され、決して色褪せること無く21世紀を生きている。
作品が私なら、どうかこの小説が私の財産になって欲しい。大した物ではないが、私にとっては。