ななこ♂の部屋

小説「プログラミング・ガール」を書いています。

「Mr.インクレディブル」映画評

 「異質なものは社会から排除される」とは世の常で、この物語の主人公のスーパーヒーロー達もその能力を持ってるが故に差別を受ける事になる。「人を助ける」というのは企業からすると必ずしも賞賛されない。まず第一にあるのが企業の利益である。Mr.インクレディブルはそんな社会を窮屈そうに生きていた。

 彼らは素晴らしい能力を持っていた。それがなぜ素晴らしいかというと、その能力を「人を助ける」為に使っているからである。どんな能力を持っていても正しい方向に使わなければそれは意味はない。むしろマイナスになることもある。彼は言う「俺は強くない」。その時に始めて彼は「本当の強さ」を手に入れた。自分の弱さを受け入れる事ができる者が本当の強さだ。

 この映画を作ったピクサージョブズが作った映画会社である。ピクサーもまた「普遍的なテーマ」と戦っている。ジョブズがそうであったように、世界をより良い方向に導くために戦っている。Apple もまたそうである。この映画にはジョブズのDNAが確実に存在する。

「幕が上がる」映画評

 舞台は高校演劇。いわゆるアイドル映画はラブコメや派手な映画が多い中、比較的地味なテーマである。その分、演技力が問われる映画でもある。「青春」という言葉がピッタリくるような清々しい物語である。ももクロのこの年代しか出来ない、と思わせてくれるような演技である。それぞれのキャラクターに合った役柄で、観ていて引き込まれた。

 しかし突出していたのは教師役である黒木華の演技である。僕はこの女優を初めて観た。まさに役が乗り移ったような怪演であった。

 僕も高校時代、演劇部の裏方だったので、懐かしい思いとその情熱が伝わった。アイドル映画ではなく、とても面白い映画だった。

「ファインディング・ニモ」 映画評

 親子の成長の物語であり。離れ離れになり、再会するのは不可能に思えた。しかし、周りの仲間の助けがあり奇跡的に再会する。一人の知恵では到底不可能に思えることもいろいろな人の助けがあればなんとかなる、ということを実感する。人(?)が成長するのには一人では無理だ。

 「一番の親不孝は親より先に死ぬ事」とはよく言われる事だが、それを痛感させられる物語であり。子供の成長により、親もまた成長する。それには無謀とも思われる勇気が時には必要だ。親は子供が可愛いあまり、子供の冒険を嫌う。しかし、子供はいつかは親から離れる。

 この映画を観るまで僕は一人で大きくなった気がしていた。しかしそれは誤りであることに気付かされた。親が今まで世話をしてくれたからこれまで無事に生きていることを実感した。今、交通事故にも会わず、無事に五体満足で生活出来ていることは宝くじに当たるくらい奇跡的な事だと気付かされた。

 両親に本当に感謝しています。

映画評「ピンポン」

 僕はこの作品の原作である松本大洋さんのマンガ「ピンポン」の大ファンである。だから実写化されると聞いて嬉しさ半分、不安半分だった。多くの原作物のマンガが映画化やドラマ化されるとイメージと違い、失敗するからだ。正直、観たいような観たくないような複雑な気持ちを抱えたまま映画館で観ることにした。

 結論から言うと「大成功だった。」とても面白い映画になっていた。曽利監督はVFXやCG のスペシャリストで、この映像はどんな風に作られたんだろう?と、後にDVDのコメンタリーや特典映像で知ることが出来た。とても気持ちの良いオープニングがあんな風に作られていたなんて!と感心される事ばかりだった。脚本は宮藤官九郎さんで原作のイメージを壊さない、素晴らしい脚本だった。流石はクドカン!という感じだった。

  ストーリーは窪塚洋介 演じるペコとARATA 演じるスマイルの友情の物語だ。彼らは卓球のボールを通じて会話をする。時にケンカし、時に挫折し、時に喜びを語り合う。それは観ているこちらを清々しい気持ちにさせる。卓球は最高にカッコイイ スポーツだ!

映画評「17歳のカルテ」

 この映画は傷ついた少女たちが再生していく物語である。主人公のスザンナ(ウィノナ・ライダー)は境界性パーソナリティ障害と診断され、精神病院への入院を余儀なくされる。そこで一人の少女に出会う。リサ(アンジェリーナ・ジョリー)は精神病院の中で王様である。その振る舞いは他の入院患者の心を傷つけ、職員にも攻撃する。

 スザンナはそんなリサの振る舞いをカッコいいと思い、次第に2人は仲良くなっていく。ここで描かれる精神病院は一種の「学校」とも映る。ウーピー・ゴールドバーグ演じる看護師が先生のようであり、患者は生徒のように映る。しかし、そんな楽しい日々も長くは続かない。リサは周りを振り回し、自分自身の感情も振り回す。そうして人間関係は崩壊してゆく。

 ある事件をキッカケに、スザンナはリサから距離を取るようになる。そして思う「ここにいてはダメ」だと。しかし、そうすんなりとは足抜け出来ない。女王様であるリサが許さない。そして事件は起こる。

 ぼくはこの映画を繰り返し観た。スザンナと自分を重ねて。しかしいつからだろう、

自分がスザンナに感情移入出来なくなっていった。スザンナが精神的に未熟だと感じるようになっていった。きっとそれは自分が歳を重ねたからだろう。ラストのタクシーの運転手の言葉が印象的だった。

いろいろあって、、、

 精神障害者手帳の申請をしました。大きな理由として①国民年金の全額免除が受けられる。という事です。現在、無職で、貯金の中から国民年金を支払っていましたが、一人暮らしを始めて、金銭的に厳しくなってきたのが大きな理由です。まあ、申請したからと言って、手帳が交付されるとは限りませんが、やれるだけのことはやってみようと思います。②映画館や美術館、公共交通機関(私鉄・JR・バス) 等の料金の割引が受けられる、という事です。これは僕にとって、とても大きいです。今は図書館や公園などに行って日中を過ごしていますが、行動範囲が広がるキッカケになります。また、僕の使っているカメラのNikon の会員サービスを割引で受けられるのも大きいです。カメラのセミナーやワークショップに通いたいのも大きな一因です。まだ調子の波があり、寝込んでしまう日もあるので、働くのは不安があり、そういう文化的サポートを受けて、自分の治療の一助になれば、と思っています。

 同時に母親とも相談して、障害年金の申請も行おうと思っています。初めて精神科に通ったのが二十歳の九月で、初診日の病院に問い合わせてみたところ、カルテが残っており、書類を書くことは可能だ という事です。こちらは貰える可能性はとても低いですが、現在、母親からの援助で生活が成り立っており、年金が貰えれば経済的に自立が出来るからです。

 障害年金を受給するにあたって必要なのは①初診日を証明できるもの。②初診日から数えて一年六ヶ月後の認定日 のカルテ及び書類が必要です。現在、認定日のカルテを探してもらっていますが、法律でカルテの保存は五年 と決まっており、残っていない可能性のほうが高いです。もちろん、福祉サービスを受けることは様々な条件があり、おそらく3級の手帳が交付され、年金は貰えない可能性が高いです(年金が貰えるのは2級から)。それでも僕にとってとても大きいです。

 働く事が自分の目標であり、それは変わりません。ただ、働けるまでの期間、福祉サービスを受けて、自分の生活を安定させたいです。このブログが同じように病気や引きこもりで苦しんでいる人にとって有益な情報になるようにあえて書きました。みんなは一人ではない。自分が福祉の仕事で社会復帰したら、同じように苦しんでいる人を助けたいと思います。その為には気力・体力・知識 を備えたソーシャル・ワーカーになるのが僕の目標です。その為には一つ一つをしっかりきちんとやっていこうと思います。

僕と任天堂

 ぼくはいわゆる「ファミコン世代」だ。友達の家で初めてやった「スーパーマリオ」が忘れられない。うちにもファミコンを買ってもらって、はじめのうちは宝物のようにゲームを遊んだら、本体をきちんと箱のなかにしまっていた。「ツインビー」「高橋名人の冒険島」「ワギャンランド」など、数え上げたらきりがないが、とにかくファミコンが大好きだった。「スーパーファミコン」は父親におねだりして、発売初日に手に入れた。ゲーム屋で整理券が配られ、ワクワクしながら行列に並んでいた。小学生の僕にとっては任天堂は「憧れの存在」だった。

 中学生になるとプレイステーションセガサターンネオジオなど、苛烈なゲーム戦争が繰り広げられた。一方任天堂Nintendo64 を発売するが、ソフト不足も相まって、売れ行きは不振だった。でも僕はNintendo64 を買った。「MOTHER3」の為に。

「MOTHER」というゲームは糸井重里さんが作った、任天堂初のオリジナルRPG だった。ぼくはこれに熱中した。舞台は現代で、まるでゲームの中で旅をしているような気分になった。攻略本である「MOTHER百科」はまさに旅行のガイド本だった。今までのRPG の常識を覆した。

 しかし「MOTHER3」は開発中止になってしまった。その経緯は糸井さんのサイトである「ほぼ日」の「樹の上の秘密基地」に詳しく書かれている。そして時を経て、「MOTHER3」は発売された。そこらへんの事情も「樹の上の秘密基地」に詳しく書かれている。それを知った瞬間、涙が出そうになった。そして急いでヨドバシカメラでハードである、GAME BOY ADVANCE SP を買った。そして「MOTHER3」を噛みしめるように、ゆっくりゆっくりプレイした。

 GAME BOY ADVANCE のゲームは良作揃いだった。今でも人気の「逆転裁判」「牧場物語」「トマトアドベンチャー」数え上げたらきりがないが、面白いゲームが多かった。「ポケット・モンスター」も少しやらせて貰った。街の人の会話がどことなくMOTHERに似ている気がした。例えばこんなセリフだ。「いろんな人がいるから面白いという人もいるし、いろんな人がいるから争いが起こるという人もいる。どちらも正しいと私は思うのね」というゲームとは無関係なセリフがある。これほど教育に適したゲームがあるものか。子供は子供ながらに本質を見抜いている。

 そして、DS、Wii の大成功。今はスマホのゲームに人気を取られているらしいが、必ずまた任天堂の時代が来るだろう。任天堂が子供の憧れである限り。