ななこ♂の部屋

小説「プログラミング・ガール」を書いています。

浦沢直樹「MONSTER」読了。

 まーーー、「人の死ぬ、漫画だなーーー」と思いましたね。次々死ぬから、やたら登場人物が多い。名前もドイツ語だしね、。

 私は5人以上、登場人物が出てくる物語はやだなーーーと思う。第一、名前が覚えられない。そして話が複雑になる。

 しかし、それの元を辿れば案外単純な事だと気づいた。「悪の存在」これに尽きる。人の善悪を超える「完全で、絶対的な悪」。それがヨハンだ。

 しかし、ヨハンの目を見てると、不思議と宗教学者みたいな感じを受ける。物腰は落ち着いて、品行方正。そして「感情の無い目」だった。

 私は毎日、自分の感情に振り回されている。寂しかったり、人を嫌ったり、人を好きになったり。つまり、それこそが人生なのだ。

 彼には感情がない。つまり、彼は人生を歩んでいない。悪の感情すら無い。薄ら笑いを浮かべている。ただ「存在している」だから、完全な悪になり得る。

 いくつかの事件が起きて、結局のところ誰も悪くはない。ただ、「悪の存在」がそうさせているだけなのだから。つまり、誰の中にも悪はある。

 その根源はやはり幼少期における虐待というテーマと被ってくる。人間の人格の形成がそこで行われる。愛されなかった。だから、お願いだ。愛を諦めないでくれ。