ななこ♂の部屋

小説「プログラミング・ガール」を書いています。

姉の誕生日に

 姉は今年で40歳になる。昔で言うところの人生の折り返し地点である。今は医療も発達し、シニアの方々も働いている事を考えるとまだまだ先は長い。が、まあ一区切りという事で今年はちょっと気合の入れたプレゼントを贈った。Amazonで見つけた名入のボールペンである。姉は銀行の窓口で働いているので事務仕事も多いらしい。ならばボールペンかな?と思った。Amazonはラッピングのサービスもしてくれるのでそれを頼んだ。

 で、問題は母親である。言っちゃあ悪いが、孫の誕生日会に呼ばれてもプレゼントなんて用意せず参加し、向こうの両親に「これをあなたが買ったことにしよう。」とケーキは母親が買ったことにして済ませた。向こうの両親が良い方なので本当に助かった。だいたい人にプレゼントを買ったことがない人間である。ケチなのである。まあそれはいいけど、体面も気にせずマイペースなのは困る。

 案の定、姉の誕生日にプレゼントを用意する様子はない。で、僕が言うと「じゃあ何がいいのかしら?」と言ってきた。僕は「花なんていいんじゃないの?」と答えた。そしたら何かを思いついたらしく「ワインがいい」と言い出した。ああ、いいかもなと思った。そしたら最近、インターネットに目覚めた母親は「Amazonで探そう。」と言い出した。おいおい今日行くんだよ、さすがのAmazonもそれは無理だろう。しかし母親はパソコンでサクサク検索を始めた。

 で、ベストセラーになっている「金賞ワイン 6本セット」がいいと言い出した。いや、いいと思うよ。金賞だし、赤白3本ずつあり飲み比べも出来るし。でも、行くのは今日だよ?そしたらAmazonさんは優秀だった。姉の住所を打ち込めばそこに届けてくれるのだ。クロネコさんに感謝だな!それで僕は午前中はウェルビーだったからお昼に帰ってきた。そしたら玄関に籠花がある!え?と思ったね。ワインじゃないの?

 そしたら母親は「あなたが花がいい、って言ったじゃない」と言ってきた。これで名入の高級ボールペンと、大きな籠花と、6本のワインが姉の誕生日プレゼントになった。まあいいけど。前言撤回、母親はケチではなくて天然なのだ。きっと。随分豪華な誕生日プレゼントになった。まあ、お姉ちゃん、誕生日おめでとう!