小学生の頃、家族で外食した。ウチは公務員で、そんなに裕福ではなかったから、外食はかなりのビッグ・イベントだった。
その日の外食は、何と豪華にステーキハウスだった。初めて入るステーキハウスでテンションMAXだった。で、メニューを検討した結果、和風ステーキという結論に至った。
今か今かと待ってると、メニュー表にある、大根おろしが乗っていないではないか!きっと店員さんがミスをしてしまったのだろう、と子供心に思った。ちょっと損した気分で食べ終え、お会計をすると、な・なんと2万円くらいだった。
両親はビックリして、どうしてこんな金額になったか⁉店員さんに尋ねた。すると、私の頼んだモノが、一万円もする「和牛ステーキ」だったのだ!
以来、外食をするたびに(現在進行系)「あんたは一番高いものを頼む!」という謂れのないレッテルを貼られる事になった。
いくら否定しても信じてもらえず、私はただ、ココロの中で涙するしかない。外食のたびにその話になる。きっとそれを「幸せ」と呼ぶのだろう。