ななこ♂の部屋

小説「プログラミング・ガール」を書いています。

精神科医との対話。

 古ぼけたロックを聴きながら、タバコを吸う。いつか禁煙しようとは思うが、いつになるやら、。肩身の狭い思いをしながら、喫煙者は高い税金を支払っている。

 私には何もない。仕事も、家庭も。だからどうだ、という訳ではないが、休日がヒマでしょうがない。やること無いし。

 ハワイに行きたいな、と思う。人生に一度は行ってみたい。韓国も。焼き肉食べたい。ハサミでちょん切るやつ。「ちょん切り欲」下らない(笑)。

 「世界の中心に連れてって」とタクシーの運転手に言うと、NYの5番街の、タイムズスクエアの前に止まった。そう、そこが世界の中心だった80年代。

 「ジャパン・アズ・ナンバーワン」はもう誰も言わないし、覚えてもいない。「ロスト・ジェネレーション」は社会の歯車から弾かれて、今も何処にも行けやしない。

 精神分析家は言う、「そう、全ては幻想だと」そう言われても、腹は減るし。素朴な私達は切実な日常を生きている。

 「国民のための政治」が、「政治家のための政治」になってる国には、もはや誰も期待なんかしていない。「政治の季節」は去った。

 全てが歯車の上にあり、そこのレールから外れることを皆、恐れている。きっと皆と同じ行動しか出来ない。「個性」とはレールから外れることではないのだろうか?

 歌を歌ったり、踊ったり。そんな自由も奪われる時代。私は街を歩きながら、何かに出会わないかと、いつも思っている。

 酔った後の、とろろ蕎麦は美味いんだけど。遠く、遠く離れていても。今は。心理的距離は物理的距離に侵食され、社会的距離を取らざるを得ない。

 それでも私は信じている。どんなに離れた所でも、同じ空で繋がっていることを。きっと、みんな元気で暮らしている。

 「You」の時代だ。それこそが希望だ。New York Times には、そう書いてあった。そう、自分たちの音楽を守る、人がいるじゃないか。