ななこ♂の部屋

小説「プログラミング・ガール」を書いています。

精神科医との対話(バイトは時給850円)。

 「人生、40歳からなんですってば!」私がそう力説すると、友人は「腹が出て、ヨタヨタ歩くで体力も無く、気力も精神病なんだから、どーーー考えてもお前、終わってるよ」と。

 私は良い友人を持った。そうなのだ。そこからなのだ、人生は。ボディーは錆かけで、だけどそのエンジンは、廻り続けているんだ。熱い魂が、。

 ヒッチハイクの旅のようなもの。「さて、次は何処に行こうか⁉」。目的も無く、カネも車も無い。あるのは「自分を信じるしか無い」という思い込みだけだ。

 3時間かけて、ようやく一台のトラックが止まってくれた。その運転手のお兄ちゃんは「何処へ行きたいんだい?」と私に聞いてきた。

 「何処でもいいんです」そう答えると、お兄ちゃんは困った顔をして、「めんどくせー奴だな。今時ヒッチハイクなんて猿岩石もやらないよ」と。

 「令和の猿岩石」私がそう言うと、「一生カネの無い生活しそうだな、あんた」。確かに有吉は金持ちになったが、私には無理そうだった、というか無理。

 お兄ちゃんは笑いながら、「じゃあ、街の中心部まで行くよ。そこで皿洗いでも何でもバイトしな」と言われた。

 「そうします」私がそう答えると、お兄さんは「素直が一番」とまた笑った。車のシートはやたら硬く、乗り心地は最悪。痔にでもなるんじゃねーかな⁉という気がした。

 「歳は?」と聞かれた。「40です」と答えた。するとお兄さんは「そりゃいいや」と言った。何が良いのか分からなかったが、私も笑った。

 そして街の中心部に到着した。お兄さんは「元気でやりなよ」と言い、去っていった。街の中心部はカジノがあり、さながらラスベガスのようだった。

 ギャンブルはしたことがないので止めておこう。コンビニがあったので、そこでバイトさせてくれないか?と頼んだらOKが出た。バイトは時給850円。