ななこ♂の部屋

小説「プログラミング・ガール」を書いています。

桜の季節。

 恋愛における楽しい時間というのは、昨日のカツカレーは美味かっただの、友達の事を酒の肴にあーでもないこーでもないと、ダラダラする時間ではなかろうか⁉

 私はいつも同じ音楽を聴き、彼女からのメールを待つ。その時間はそんなに退屈ではなく、まあもっと有意義な時間の使い方もあるのだろうが、私には充分だ。

 いつも手紙のようなメールを送ってくれる彼女は、優しく、思いやりがあり、ちょっぴり弱く、私はそんな愛おしさを感じている。

 真夜中にメールを待つのも退屈なので、散歩に行ったり、コンビニでタバコを買ったり、また携帯の着信を待つ。

 基本的に私はあまり人とベタベタするのを好まないが、彼女が求めるのならばそれは喜んでするし、そんなに悪い気分でもない。

 夜の闇は淡い光に照らされて、シャッターの閉まった商店街を歩くと、警察官がめんどくさそうに街を巡回したりフィリピンパブでは喧嘩が絶えない。

 部屋の明かりを落として、本を読んでいるとなかなか読書が捗って、塩梅が良い。ロシアとウクライナの紛争のニュースを見ながら、またぼんやりしている。

 私はどちらが正義か分からないが、少なくとも民間人の死者が出ているとなると、やはりそれは正しくない。

 ロックンロールとお笑いを人生の糧、として生きてきた人間は、損ばかりするがまあ、強かさも兼ね備えるべきであろう。

 人を好きになるのはとても良いことで、風が心地よいとか、花がキレイだとか、そういう喜びに満ち溢れている。

 長い冬が終わり、桜の花びらが舞う頃、彼女と海岸通りを歩くことを夢想する。私達に足りないものは何もない。